勉強はアウトプットがゴール

週末、実家に帰る用事があったので本棚を眺めていてふと目に入った一冊。社会人1年目のときに読み込んだ本で、社会人8年目になるけれど、今読み直したら学びがあるような気がして読んでみました。自分の中に当たり前になっていることもあれば、緩んでいることもあったり、当時はおそらくあまり理解できていなかっただろうけど、いまとなっては様々な経験と紐づいて大切だと感じることがありました。「入社1年目の教科書」というタイトルではあるけれど、自分の仕事の仕方のチェックリストとして活用していきたい。

子どもたちに「人間は忘れる生き物であるから、しっかり復習しましょう」「間違えたところをチェックしてできるようになるまでやりましょう」と伝え続けているように、我々大人も時々本を読み返して復習をして、できていること・できていないことを見直し、自分の血肉にしていくことが重要だと思いました。

社会人向けに書かれている本だけれど、内容の本質は子どもでも大人でも変わらない。子どもたちの勉強とも絡めて重要だなと思った点を2つ紹介したいと思います。

勉強はアウトプットがゴール

書籍の中では、大人がビジネス書を読んで「勉強になったなぁ」で終えるのではなく、その内容を自分の仕事にどう活かすかを考えながら読み、実際に活かせてはじめて勉強したことになるという主旨のもと書かれていますが、子どもの勉強でも同じだと思います。

子どもたちの勉強でよくあるのが、「教科書を読んだ」「ノートを写した」ことで勉強した気分になってしまうこと。これはまだ勉強したとは言えない。アウトプット先の目標が、定期テストなのであれば、定期テストに活かせるように教科書を読んだり、ノートをとったりして、できるようになってこそはじめて勉強したと言えます。

例えば、学校の授業一つとっても同じこと。学校に行けば、授業を自然と受けます。黙って50分座っていれば、授業は履修したことにはなる。でもクラス40人の中で本当に勉強している子は何割いるか。

勉強の定義が誤っていると本当の意味で勉強をできていないかもしれません。

「定期テストで点数を取ること」を勉強の目標にしている子の授業の受け方は、ただ黒板を写すだけではなく、暗記系の科目であれば、テストにでそうなところをオレンジペンで書いて赤シートで隠せるようにしたり、計算や記述の問題であれば、ノートに線を引いて問題の解き直しをしやすくノートをとります。その上で、学校の先生にテストのポイントを聞いてメモをしたり、前回のテストの傾向から必要だと感じるところにチェックをしたりしています。

「授業や勉強をこなすこと」が勉強の目標になってしまっている子の授業の受け方は、ただ板書をノートに写して見直すこともなく(見直しをしにくい形でノートをとっていて)、意味を理解しないまま、教科書にただ先生に言われた通りに線を引いていたりします。試験勉強も教科書を読んだり、まとめノートを作り直すことに満足してしまっていたり。

私たちが塾運営をしている中で感じていて、特に課題感を持ち、様々なアプローチを工夫していることは「勉強を作業化させないこと」です。「やってる気になる作業化した勉強」って、時間はかかるから勉強した感があって心地よいんですよね。ビジネスマンがビジネス書を読んで満足しているのと同じことです。自分自身も経験してきたからこそわかるのですが、この「やった感による満足」を乗り越えて、「成果にこだわる努力」に変えていけたとき、一気にレベルアップします。「成果にこだわる努力」は、脳にも負荷がかかるから大変なんです。でも多くの人がここから逃げてしまう。目の前の楽な作業に逃げてしまう。結果、「時間をかけてやったのにできなかった」ということが起きてしまう。

これを乗り越えるには、常に勉強のゴールをアウトプットに設定すること。勉強で言えば、たくさんテストをすることです。受験勉強も模試や過去問を解きますよね。常にアウトプットにつながるように勉強するためです。

思考錯誤の日々ですが、子どもたちに「勉強のアウトプットがゴールである」ことを改めて伝え続けたいし、仕組みとしてもさらに強化していきたいと思いました。

予習:本番:復習=3:3:3

この本の中では、事前準備(予習):会議(本番):フィードバック(復習)=3:3:3であるべだが、多くの場合、1:9:0とか0:10:0になっているという内容が書かれていました。まず自分の仕事の仕方としても見直さなければならないと思ったのですが(笑)、同時に、子どもたちの勉強もまったく同じだということ。

多くの子どもたちが、0:10:0になっているのではないでしょうか。C.schoolに通う子どもたちは、標準カリキュラムを進めることができていれば、予習(塾の授業):本番(学校の授業):復習(塾の試験前特訓)=3:3:3の形で取り組めていると思います。ただ、この本を見て思ったことは、試験2週間前までに、予習(塾):本番(学校):復習(自学ノート等)=3:3:3などの形で高速で学びのサイクルを進めていくべきだということ。わかっててもしつこくこの公式を頭に入れないとどんどん楽な方に流れてしまいます。最近の新しい取り組みとして、藤井さんが試験的に自学ノートのチェックの取り組みをはじめているので楽しみです。