振り返りと改善案を具体的にする

C.schoolでは、「なりたい自分になる」力を育むべく、振り返りを丁寧に行うことを大切にしています。特に、中学生は定期テスト後には、1人1人とスケジュールを組んで時間をとっています。また、高校生は、週に1度学習計画スケジュールMTGを行っています。受験生とは毎月1ヶ月の振り返りをしています。

振り返りをして改善していくコツは、振り返りと改善案を「具体的にすること」です。できるところまで具体的にしていくことで、真の課題を発見することができ、改善する行動を取ることができます。逆に言うと、抽象度の高い振り返りは、やって満足で終わってしまいがちです。

例えば、試験定期テストの振り返りと改善案について。ありがちな振り返りは「勉強時間が少なくて、ワーク1周しかできなかった」改善策として「次回は、勉強時間をしっかりとって、ワーク3周やる」と言ったもの。このような振り返りと改善案は、ほとんどの場合、次回のテスト後の振り返りでも繰り返されます。

このようなものに対して、もう少し深堀していきます。
「なぜ勉強時間が取れなかったのか?」「なぜワーク1周しかできなかったのか」「具体的に試験前までにどんな行動をすべきで、試験期間は何をすべきなのか」

それに対して、「毎日夜の時間をスマホいじってダラダラ過ごしてしまって、いつの間にか時間がなくなっている。だいたい毎日2時間はそんな時間を過ごしている」→「毎日1時間ワークを進める」さらに言うと、「夜ご飯を食べたら必ず机に座り、ストップウォッチを押して勉強を始める。それから1時間経つまで、スマホの電源を切っておく」これくらいまで具体的に改善行動を決めておけると良いでしょう。もっと言うと、「きっとモチベーションが下がってきて続かないから、毎日チェックリストにチェックをつけていき、1週間に1回塾の先生にみてもらう」と、自身の行動の先に生じうる課題まで想定して、その解決策を具体的に決めておけたら、なおよしです。

例えば、3月にある大学受験生が書いた振り返りと解決策。「インスタで友達に誘われても、受験に集中すると伝える」という具体的なシーンに対して、具体的な行動を決めている点がとても良いですね。4月の振り返りでは、実際に取り組んだようで、素晴らしいと思いました。これこそ、「なりたい自分」へつながる振り返りだと思います。

私たちは講師として、子どもたちの勉強や行動に対する解決策を具体的に考えています。

毎週それなりの時間をかけて、子どもたちの課題に対する解決策を検討する会議をしています。例えば、「勉強時間が取れない子」に対する原因分析として「物理的に時間がないのか?」「やる気がないのか?」とさらに具体的に考えていき、前者であればスケジュール管理を強化することに力を入れたり、後者であればとりあえずベタ付きで見てあげる時間を増やしたり、同じ課題に対しても、具体的な原因と具体的な解決策を検討して実施しています。

私は学校教員だったのでよくわかるのですが、学校で取り組む振り返りは形骸化しがちです。それは具体的に具体的にしていく作業が大変なので、とりあえずシートを埋めるという作業になりがちだからです。これは学校の先生が悪いのではなく、学校の先生は時間がなくて一人ひとりの振り返りを深堀していくほど時間がないんです…優秀な先生はやっているかもしれませんが、私は残業&土日仕事してもここまでできませんでした。そんな背景もあり、「学校でもやっている」と時々言われることがありますが、中身の密度をあげ、「なりたい自分になる」ための振り返りにしていくために、C.schoolでも取り組んでいるのです。

大人でも同じことですね。「なりたい自分になる」ためだったり、「達成すべき仕事を成し遂げる」ためだったり、目的はそれぞれだと思いますが、課題を具体的に捉え、改善策を具体的な行動で決めることが、目標達成への近道だと思います。