今週あった嬉しい出来事。
「藤井先生が、私が100点取ったことをすごく喜んでくれました!」
小学生の女の子が帰り際に嬉しそうに教えてくれました。その子が100点を取ったことはもちろん、その喜びを先生と共有して一緒に喜んでいる姿をみて、二重に嬉しい気持ちになりました。たまに子どもたちが「親が一緒に喜んでくれた」と嬉しそうに話てくれることもありますが、そんな話を聞いたときも嬉しい気持ちになります。
そうやって、自分が努力をして掴み取った経験を積み重ねることに加えて、だれかとその喜びを共有することで、人はより自信を育んでいけると思うし、純粋に幸せになれると思います。ポジティブな感情を共有することでもっと前向きになれるし、もっとがんばろうと思える。時に、ネガティブな感情すらも、安心できる関係性の中で共有できることが、人生の支えになる。
そんなことを考えながら想像したのですが、例えば、オリンピック選手だって同じだと思います。一人で努力して、一人で金メダルを取って、自分だけしか喜んでいなかったら、幸福感は感じにくいと思うし、そもそもそこまでやり切ることができないのではないか。「支えてくれた周りの仲間や家族に感謝しています」という言葉は、きっと具体的な練習や生活のサポートももちろんだけど、一緒に喜ぶ(悔しがる)ということが、大きな心の支えになっているからこその言葉ではないか。
人はだれかと心の底から湧き出る嘘偽りのない感情を共有することで、時に安心して今の自分を保つことができ、時に一歩前に進めてくれるエネルギーを得ることができる。
これは、オリンピック選手だけではなく、自分の人生を振り返ってもそうだなと思います。例えば、子どもの頃、野球をやっていたとき、いつも両親が楽しみにしていて、活躍すれば嬉しそうにしてくれて、試合に負ければ一緒に悔しがってくれた姿は、いま思えば、大きな自分の支えと力になっていたと思います。
真の感情の共有は、演じられるようなものではなく、本気で他の人の人生に想像力を働かせ、期待したり、一緒になってがんばったりすることが必要だと感じます。そうしてはじめて、人を支え、人を突き動かすものになり、感情を共有してもらえた人にとって「振り返ってみれば人生に欠かせなかった」と思えるような大きな力になると思います。
これは、多くの塾で講師が変わることも頻繁にある中、C.schoolが完全担任制にこだわっている背景でもあります。子どもたち一人ひとりが学習を通じて成長を感じられるように個別のカリキュラムを設計してサポートしていますが、このようなプロセスがあるからこそ、豊かな感情の共有もできているのだと思います。
冒頭の小学生の子も、算数のテストで点数を取りたいといつも言っていたので、講師の藤井さんがコミュニケーションをとって、カリキュラムを調整し、学習を丁寧に確認しながら進めていました。だからこそ、喜びをより大きく共有できるのだと思います。最近は、中3生の最後の定期テストや受験が迫ってきており、小中学部教室長の関屋が子どもたちと喜びを、時に悔しさを共有している姿を目にしています。
結果やプロセスをただ評価するのではなく、その前に感情を共有すること。本気で喜び、本気で悔しがること。それがきっと豊かな人間関係や人生をつくっていくと思います。子どもたちとの関係の中で、いや、子どもたちだけでなく、保護者の方々や関わるすべての方との人間関係の中で、C.schoolが大事にしていきたいことだと、改めて思えた出来事でした。