学校の勉強を大切にする

塾というと独自の問題集がたくさん渡されて、学校の宿題に加えて塾の宿題もたくさんあって、というイメージがある方もいるかと思うですが、C.schoolはまずは学校の勉強をきちんとできるようにすること、学校の勉強を大切にすることを方針としています。(もちろん進度が早い子は各種検定や次学年を見据えたカリキュラム、応用問題への取り組みなどを行なっています。)

C.schoolの講師は全員「学校の勉強を大切にするべき」という価値観を持っていますが、私自身がこの方針を採っている背景の3つの原体験を紹介したいと思います。

まず、第一に、自分自身が学校の勉強をきちんとやることを大切にして来たことで力をつけてこられたので、自分自身の経験から学校の勉強をきちんと積み重ねていけば必ず必要な力は身に付くと確信していることです。中学高校時代、周りには学校の勉強よりも受験勉強を先取りするような塾に通っている友人もいたので、体験に行ったことがありましたが、塾の勉強がメインになって学校の授業をおざなりにしてしまい本末転倒だと感じたので(これは塾の仕組みが悪いというよりは、私のキャパシティを越えていたのだと思います)、私はオーソドックスに学校の勉強に取り組みました。通っていた塾も、C.schoolと同じく、学校の少し先取りをして学校の授業を復習とすることを目指す形でした。そのような経験から、中学生が多くの時間を過ごす学校の授業時間を最大限に有効活用し、自分自身の学力を高めていくにはこのやり方がベストだと私は思っています。

次に、個別指導塾での講師経験です。その塾では、塾で決まった教材を使う必要があり、宿題も復習もその教材で取り組んでいました。もちろん本質的な力を身につけて、学校の問題にも応用できれば全く問題ないのですが、「基礎固め」から「別の問題への応用」には、ワンステップレベルアップが必要です。すなわち、学習時間も必要になります。子どもの学習段階によっては、ときに塾の問題集はできるんだけど、学校の定期テストはできないということが起きてしまっていました。限られた時間の中で、塾の宿題をこなすことに躍起になった結果、挙句の果てには学校の授業中に塾の宿題をやりましたなんて言う子も。学校の授業で先生が大切にしていることを聞いていなかったりすると、定期テストの点数に繋がらないこともしばしば。順番としては、学校の授業/学校の問題集でしっかりと基礎固めをした上で、別の問題に取り組んでいくという順番の方が、限られた時間の中で点数を取るということと本質的に基礎から応用する力をスムーズに身につけることを両立する上では、正しいと感じています。塾の宿題でいっぱいいっぱいになってしまっていて学校のテストで点数を取れない子を見て、アドバイスをするものの結局時間がなくて学校の勉強に手が回らない何て様子を見ていると、何だか本末転倒だなぁと感じていました。という背景があり、C.schoolでは、塾の授業→学校の問題集→余力ある子は塾の問題集が基本ルートとしています。

最後は教員経験です。結局、学校の授業をきちんと受けて、テスト勉強を頑張っている子は、学校の成績においても受験勉強においても成績は上がります。稀にいる「学校の授業を聞いてないけど受験の成績が伸びている子」は注目されがちです。そんな子を見ると「学校の勉強は役に立たない」と言いがちなのが子どもたち。でも全体で見ると、そう言う子は本当に少ないので、それを正解だと思わない方が良い。運動会でダンスを踊るときも、すぐ踊れちゃうセンスの良い子は稀にいるけれど、95%の子は何回も練習して踊れるようになるじゃないですか。すぐ踊れちゃう子をみて「練習する必要はない!」ということはない。◯◯さんは運動神経良いからね、ってそちらを例外扱いする。一方で、勉強になると、例外を基準にして、「授業を受ける必要ない!」と言い訳にしてしまう子が一定数いました。でも、教員の視座からみると、結局最後に勝つのは、学校の勉強を丁寧に積み重ねている子の方が圧倒的に多いです。あと、元教員だからこそ思いますが、ほとんどの先生は子どもたちの将来のために子どもたちに必要な力がつくように授業を一生懸命作っています。また各教科のプロでもあります。嫌でも(!笑)多くの時間を費やす学校ですから、その時間は各教科の先生が自分に与えてくれている学習を全部吸収するつもりで取り組めば、必ず力がつくはずです。

こんな経験から、C.schoolでは、まずは学校の勉強をきちんと積み重ねられるようにカリキュラムを組んで、学校の問題集の質問対応/試験前の対策を行なっています。もちろん、受験も見据えた視座で関わっていますが、その上で、目の前の積み重ねです。高校野球で言えば、甲子園を目指す視座を持ちつつ、日々素振りや守備の基礎練等の基礎の徹底は欠かさないのと同じです。そんなわけで、学校の勉強の進度と一人ひとりの学習進度に合わせたサポートをしています。詳しくは、関屋が書いているこのブログ(完全担任制だからできる学習指導)も見ていただければと思います。

より実利的な話で言うと、都立の高校受験も大学の共通テストも、学習指導要領でカバーされている範囲、すなわち、学校の教科書で出ているレベルが基本ということ。学校の教科書レベルを理解せずにあちこち手をつける前に、まずは学校の教科書をきちんと理解し切ること。本物の力を身につけるには、基礎基本の徹底が何よりも大切です!